”微生物の検査と診断”を学んで
多かった感想
⇒『抗体検査の意味を考えさせられた』
その他を紹介します
・サブロー培地のサブローは日本人の名前じゃなかったことが面白かった
・グラム染色を再確認のために2回(鏡検時と培養時)することに驚いた
・PCR検査は遺伝子増幅検査ということや抗体検査にペア血清を用いることを知った
・血清には急性期と回復期があるのにも驚いた
・初感染ならIgM、既感染ならIgGペア血清上昇で役立つことを忘れないでおきたい
・一纏めに感染といっても、沢山の種類や検査法があって驚きました
・自分が知らないことが知れてよかったです
たくさん驚かせてしまったみたいです( ;∀;)
さて今回も質問にお答えします!!
Q1. ペア血清2回目は回復期のときの採血です。
それだと治療はもうしなくていいと思いますがなんのために検査をするのですか?
A1. 質問ありがとう。鋭い指摘!
症状が改善していれば
『元気になったし病院で検査を受け病気の原因(病原微生物)を追求するよりも仕事(学校)へ行くぞ!!お金もかかるし!』
当然の考えです(患者さんの立場)
一方、『なんか流行っている』病気があれば『原因はなに?』
と病原微生物を特定し
社会の感染予防に役立てる必要もあります(公衆衛生的立場)
例えばAさん(女性)の場合(フィクションです)
○年4月:看護師を目指して×大学看護学部に進学
(入学前の3月に受けた感染症抗体検査では
風疹の抗体価(IgG)が低く①
実習までにワクチンを打つように指示されていました)
4月初旬:風邪のような症状(微熱、咳、首の後ろのリンパ節が腫れる)が3日持続
(1週間後にはすっかり回復)
4月中旬:彼氏と会話『うちの会社で風疹が流行ってるよ』
4月下旬:嘔気、嘔吐で病院を受診し『妊娠』判明!
授業で教わった『先天性風疹症候群』が頭によぎります( ;∀;)
いまさら風疹IgM抗体を測定しても遅いし、、、、どうしよう?
この時点で風疹IgG抗体を測定➁すると
3週間前の症状が風疹と関連するものだったか
推測する判断材料を与えてくれます(ペア血清 ①と➁)
患者さんが
個人的に原因となった病原微生物を知りたいとき
も有用です!!!
おわかりいただけましたか?
Q2. ワクチンを打っても抗体がつかない人もいると聞いたことがあります!!
私はおたふく風邪になったのに、抗体がありませんでした、、、、何故でしょうか?
その場合IgMになってしまうんですか?
A2. 質問ありがとう。
2つの可能性が考えられます!
①おたふく風邪(ムンプス)罹患後、長期間ムンプスの患者さん(友人など)と接する機会がないまま過ごしてきたので抗体価(IgG)が徐々に低下した
➁そもそもムンプスではなかった(診断の間違い)
なお新規感染の急性期にIgMが上昇しますが
採血のタイミング(早すぎたり遅すぎたり)によっては検出されないなど
限界があります
⇒感染後(ワクチン接種後)の抗体価はIgM抗体ではなくIgG抗体で確認