看護学校よもやま話2022(1) 看護学生からの質問に答えます (^_-) ウイルスの増殖には生きた細胞が必要ということは、死んだ人間ではウイルスは存在しないということですか??

南大阪看護専門学校2022年度

最初の微生物学授業にいってきました(*'▽')

コロナ禍になってから

なかなか学生の顔を覚えられません*1

 

マスク、恐るべし!!

 

新入生に質問すると

わたし 『微生物を観察するためどんな道具があるの?』

学生A 『えっと、、、双眼鏡みたいな、、、』

わたし 『コンサートちゃうで!』

学生A 『あっ、顕微鏡でした(てへっ)』

 

わたし 『かび(真菌)より小さい微生物はなに?』

学生B 『バイキン!』

ユニークな回答にほっこりします(*'▽')

 

31人の学生から授業アンケートの回答がありました💛

学生C 『すごく興味のある分野なので、これからはマメ知識などもドンドン教わりたいです!!』

しっかりと学んでね(^_-)-☆

 

それではみんなからの質問に答えますね!

Q1. RNAにあるウラシルは何故不安定なのか?

A1. 構造を図示すると

シトシン C、ウラシル U、チミン T

よく似てますよね!

DNAで用いられているチミンはメチル基(ピンク)がついてます!

 

チミンは合成するのにエネルギーが多く必要(コスト高い)そのおかげで紫外線で壊れにくい!

つまり安定してます(*'▽')

 

RNAはDNAのコピー(転写)

リボソームでタンパク質をつくれさえすれば

多少不安定でも少ないエネルギーで作れる(コストが安い)ウラシルでいっちゃおう!

こんな感じかな?

 

また生体内ではシトシンCが脱アミノ化(図)するとウラシルに変化しちゃいます!

C-G(グアニン)の塩基配列が U-Gに変化しちゃうとまずいぞ!

 

でも安心してください!

大事な遺伝子DNAを修復する機構がミスを発見してくれます💛

DNAに存在しないはずのウラシルUは発見されやすい!!

ほんま遺伝子はうまくできてます!

 

Q2 ウイルスの増殖には生きた細胞が必要ということは、死んだ人間ではウイルスは存在しないということですか??

A2 質問ありがとう!

こんな質問もありました

「ウイルスは生物ではないから、微生物の真核生物 原核生物の分類に入っていないということですか?」

ウイルスは 

「DNAまたはRNAとそれを包むタンパク質の殻」

からできています!

真核生物でも、原核生物でもありません! 

「ほんまに生物なの?」って感じです( 一一)

 

自分でエネルギーも作れないし

遺伝子からタンパク質を合成するリボソームももっていない!

 

侵入した細胞の設備を勝手に使って自己の遺伝子を増殖させる

とってもずるい存在!

 

エボラウイルスのように致死率の高いウイルスは

「感染した人を殺してしまう」=「侵入した細胞が死ぬ」

勝手に使っていたリボソームエネルギーが使用できない!

⇒自らも増殖できなくなります!

 

コロナウイルスRNAウイルス)のずるい(うまい)ところは

絶妙な潜伏期間で感染力は強くどんどん感染を拡げ

しかもほとんどの感染者は軽症のため

自らのRNAの増殖に最適化した戦略(?)をもっているところです!

 

興味のある学生さんは

福岡伸一さんの

生物と無生物のあいだ」  (講談社現代新書)

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読んでみてくださいね(^_-)-☆

 

 

 

 

 

 

 

 

*1:+_+