看護学校よもやま話2024(2) 授業アンケート『ブログ投稿』 質問にお答えします!

2回目の微生物学授業のアンケート提出率

92.5%!!

南大阪看護専門学校新1年生 すごいぞ💛

 

『私は高校で牛や豚の世話をしていて、O157BSEの事を少しですが授業受けた事があったので、高校のことを思い出して動物に会いたくなりました』

 

いろんな学生さんがいてますね!

 

さて今回もたくさんの質問をいただきましたのでお答えします!

Q1. ペプチドグリカンを簡単に説明してほしいです。

A1. 細菌の菌体の外側の細胞壁にかたさを与えて菌体を保護する物質のこと!

例えると防弾チョッキみたいなものかな?

壊れたり、合成できなかったりすると細菌の内部の高い圧力(浸透圧)に耐えられず菌は崩壊して死滅します! 

 

Q2. ペプチドグリカンの名前の由来って何ですか。

A2. 英語で表記すると peptidoglycan

つまり ペプチドpeptide + 糖鎖glycan のことです

 ペプチドはアミノ酸が連なったもの

 糖鎖は各種の糖がグリコシド結合(図の↓ -O-)により連なったもの(教科書p17)

細菌は身を守るため安定した長~い構造物を作って活用してます!

 

Q3. グラム染色がよくわかっていません。

A3. 細菌は光学顕微鏡で観察できる大きさですが、、、

でも特殊な場合(例:梅毒スピロヘータの暗視野検鏡)を除くと

通常は染色なしで観察できません( ;∀;)

 

そこで細菌学者のグラム先生(デンマーク)が簡便に染め分けるグラム染色を発明しました(教科書p15)!!

染め分けを左右するものは?

Q1. Q2.でお答えしたペプチドグリカン

 

ペプチドグリカンが細胞壁に多い菌では最初に使った色素(紫)に染まったまま

グラム陽性菌

表面に外膜(脂質やリポ多糖類が多い)のある菌ではアルコールをかけると脂質が壊れ脱色→2番目に使った赤い色素に染まります

グラム陰性菌

 

色分けで細菌の構造の違いを明らかするスマートな検査です!

 

Q4. グラム染色で染められた細菌はずっとその色のままなのですか?

A4. A3の図をみてください

 最初に”固定”してますよね!

→火炎やアルコールによる”固定”で細菌のタンパク質は変性する

→染色した時点で細菌は”標本”になるため廃棄されるまで色は変わりません、、、でも昆虫や植物の標本と違って細菌の”標本”は検査が終了すれば廃棄されます

 

Q5. 複製と発現が入ったセントラルドグマはずーっと昔から言われてきたことですか? 私の高校時代に習った時には、転写と翻訳のみでした。

A5. 質問ありがとう。

セントラルドグマ =分子生物学の中心原理」

ご指摘のとおりセントラルドグマの肝の部分は遺伝情報が

「DNA→mRNA→タンパク質」の順に伝達される部分!

 DNA→mRNA(転写)

 mRNA→タンパク質(翻訳)

でも

遺伝情報を受け継ぐため細胞分裂時にDNAが2倍になる仕組み:複製

リボソームで翻訳されたタンパク質(素材)が修飾、調節をうけて実際に機能する状態(商品)になる過程:発現

どちらも分子生物学の中心原理」のなかで重要です。

複製、発現も含めてしっかり理解してくださいね!