6月です(*'▽')
前回の微生物学講義のテーマは『感染に対する生体防御機構』
教えるのも学ぶのも、むつかしいねぇ( ;∀;)
授業アンケート提出率も50%!
アンケートのコメントを引用します
『先生が授業開始時におっしゃっていた通り今回の講義内容が1番難しいなと感じました』
今回も質問をいただきましたのでがんばって回答します(*'▽')
Q1. 食細胞は好中球・マクロファージと習ったのですが、なぜ樹状細胞は入ってないのですか??
高校で食細胞は、樹状細胞・好中球・マクロファージと習ったのですが、、、、、
A1. 質問ありがとう
好中球は血管内の白血球の約60%を占める食細胞の主役!
血流に身をまかせて防御のため全身を駆け回っています( ;∀;)
樹状細胞とマクロファージはで皮膚、消化管、肺などの
組織を病原微生物から守っています!
いずれも細菌などを貪食する能力をもつ食細胞!
組織に侵入した病原微生物に遭遇するとしっってかり貪食し食胞のなかで
ペプチド(抗原)に分解します、、、自然免疫と呼ばれます
マクロファージはその場にとどまって局所防衛に専従する立ち位置ですが、
樹状細胞は病原微生物を貪食したあとリンパ節や脾臓へ移動します(*'▽')
リンパ節や脾臓には戦闘部隊であるリンパ球(T細胞)が待機しており
樹状細胞から病原微生物の情報(分解されたペプチド(抗原)情報)がリンパ球に伝えられます(抗原提示)
戦うべき相手の具体的な情報を学んだT細胞(ヘルパーT細胞)は
インターフェロンなどのサイトカインを放出し
キラーT細胞やB細胞へ働きかけます
キラーT細胞はマクロファージが戦闘を続ける局所で病原微生物との闘いを応援し
さらにヘルパーT細胞から分泌されるサイトカインがマクロファージをより元気にすることで病原微生物にしっかり対抗します(^^♪
B細胞は病原微生物に対する抗体を作り高度な防衛戦をサポート(獲得免疫)!!
実働部隊である好中球やマクロファージは自然免疫の主役!!
樹状細胞は貪食作用があるたえ自然免疫も担当しますが、、、
リンパ球へ敵の情報を提供し獲得免疫への橋渡しというとっても重要な役割を果たしています!
食細胞であるつつハイレベルの仕事もこなす優れもの!
立ち位置の違い、ご理解いただけましたか?
Q2. 授業中にメモとして先生が書いていた、特異的とは何か?というので、特定の相手を○○して戦うって書かれていたのですが○○の部分が見えなかったので教えて頂きたいです
A2. 質問ありがとう
板書が見えにくくご迷惑をおかけしました(字が下手ですみません *1)
特異的な生体防御 = 獲得免疫
A1にも書きましたが病原微生物の情報を学んだリンパ球(ヘルパーT細胞)は
戦うべき病原微生物を具体的に特定して戦います!
例えばワクチンもその特性を利用し特定の病原微生物から身を守ります💛
コロナウイルスのワクチンを打ったからといって風疹は予防できないですよね!
獲得免疫は特定の病原微生物に対しての防御効果は高く優れたものですが
経験したことのない未知の病原微生物に対しては残念ながら無力です!
自然免疫はこのような場合も体を守ってくれます
好中球、マクロファージ、ありがとう!
*1:+_+