看護学校よもやま話2023(3) 看護学生の質問(微生物学)に答えます! ウイルスの増殖 これであってますか!!

微生物学4回目授業アンケート提出数は増加!!

寄せられたコメントをいくつか紹介します

・勉強不足のせいで完全に頭の中を整理できてないと感じるので時間を見つけて復習していきたい

・あまりカビについて考えることは無かったですが人間にもカビは生えるものだと知りカビについて少し興味がわきました

・もっと理解が出来たら、すごくいいんだろうなと感じ、事前学習をしようと思いました

・〇くんがウイルス役をする例えが、とてもわかりやすいし面白くて覚えやすくよかったです

 

前向きなコメントありがとう!!

理解しにくかった内容は、、、

ウイルスの増殖について実演で軽くは理解できたけど、しっかりは理解できてない』(Oさん)

『ウイルスの増殖がむずかしい!!なんとなくはわかる!』(Mさん)

 

Mさんの質問にお答えします

Q.  ウイルスの増殖 これであってますか!!!?

細胞表面への吸着(ドアノブ触る)【スパイクが手?】

→細胞内への侵入(教室入る)

→脱殻(服脱ぐ)

→部品の合成(他の生徒に触って増殖)

→部品の集合(????)

→感染細胞からの放出

(裸は恥ずかしいからカーテンをまとって教室から出て行く)【エンベロープ?】

 

A 大体のイメージはOKです!

教科書p42 図3-3と合わせて解説しますね

 

ウイルスは遺伝情報の含まれるウイルスゲノムとゲノムを包み込むタンパク質の殻(カプシド)から構成されています!

 

① ウイルス表面の突起(スパイク:手)が侵入する細胞の表面分子(ドアノブ)にくっつきドアノブを回す

→ドアを開いて細胞に侵入

 ここら辺の侵入様式はウイルス表面のエンベロープの有無などで違います

(例:泥棒の侵入時  窓をたたき割って侵入vsカギを開錠して侵入)

(p42 NOTE 侵入様式の違い)

 

② 細胞にうまく侵入したウイルスはタンパク質の殻を脱ぎ捨て

ウイルスゲノムが遊離(脱殻) 

 

この段階でウイルス粒子(ビリオン)としては姿を消します(暗黒期)

③細胞の中に放たれたウイルスゲノムはミッションを開始!

 

ミッションとは?

侵入した細胞のリボソームを勝手に使って”自己を複製”すること

 

そのために必要な仕事は2つあります

ウイルスmRNA(ゲノムの複製)とウイルス構造タンパク質の合成

 

なんせ製造機械(リボソーム)も材料のアミノ酸

侵入先の細胞のものを借用するためウイルスにとってノーリスク

やりたい放題です!!

 

mRNAの合成様式(p 42  NOTE)

一般的にDNAウイルス 細胞のもつmRNA合成酵素を使用

RNAウイルス ウイルスのもつmRNA合成酵素を使用

 せっせと自らのゲノムを量産!!

 

並行してウイルスの殻(カプシド)をつくる構造タンパク質や必要な酵素タンパク質も大量生産されます

 

④ いよいよウイルス粒子を組み立てる段階に突入(集合)

部品を集合させて完成品(ビリオン)ができると、、、

   

⑤細胞膜を通って細胞外へ放出され

次の細胞を攻撃します( ;∀;)    

エンベロープ(脂質二重膜)をもつタイプのウイルスは

細胞膜を身にまとって飛び出します(p42 NOTE ビリオンの放出様式)

芽がでるように飛び出すので”出芽”と呼ばれます

 

なおエンベロープを持たないウイルスは

細胞を破壊しながら飛び出す爆破するイメージ

 

Mさんの質問の

(他の生徒に触って増殖)

は リボソームやmRNA合成酵素 の例えですので置き換えて考えてね!

 

ややこしいけどしっかり復習しましょう (^^♪