6月1日に掲載した“安全な中心静脈穿刺をめざして 第一歩!” から早くも1か月経過
研修医の先生方に質問しました!
“いままでに何回、CV*入れた?”(*CV⇒CVC:中心静脈カテーテルのことです)
循環器内科研修中のK先生はすでに3回実施ずみ!
さすがです。
消化器内科研修中のH先生は2回、外科研修中のA先生は1回実施。
みんな、がんばっています ! (^O^)!
さて、研修医の先生方が懸命に安全な中心静脈穿刺をめざす一方、指導する立場からみるとどうでしょうか?
ジェネレーションギャップ(1)(5月6日ブログ)に登場した6年前の研修医がこんな会話をしていました。
研修医A “なあ、B、今日、M先生と一緒にCV入れさしてもろたけど、なかなか血管に(針が)当たらんかった” (・・;)
研修医B “ふーん、で、はいったん?”
研修医A “最初、2回くらい穿刺させてもらったけど、全然血管にあたらへんかったわ。M先生に代わってもらったけど、M先生もなかなか血管に当たらんかってん。結構、苦労して15分くらいかかってうまくはいったわ。” (・・;)
研修医B “へぇー、大変やったんやね”
研修医A “でもなB、上の先生に代わってもらって、一発でさっとCVが入らんかったとき、みんな必ず、『えらい”ハイポ”やな!』って言わはると思わん?なんでやろ?”
研修医B “ほんまやな、この前、H先生もそう言ってはったわ”
横で聞いていた私も “ある、ある” と心の中で同意!
研修医Aの観察力、おそるべし (^_^;)
ハイポとは?
Hypovolemia(脱水や出血などで血管内の血液量が減少している状態)を意味します。
血管内容量が小さくなっているため血管を穿刺しにくい状態です。
現在は、携帯型超音波診断装置のおかげで、針を刺す部位の皮膚の下を走行する血管の様子をあらかじめ確認することができます。
6年前にうちの病院では、まだまだ携帯型超音波診断装置が普及していなかったため、血管の穿刺は体表から筋肉や骨を触れて、血管の走行を予測して穿刺する方法が主流でした。
経験がものをいった時代!
指導医、上級医の先生方は、研修医の先生方の成長を願って、うまくバックアップしながら手技をサポートします。
この際、”患者さんに対し安全に手技を実施する”という最重要の使命の間で
ちょっとした重圧を感じる瞬間があります (; ̄Д ̄)
上級医がぼそっとつぶやきがちな 『えらい(むっちゃ)”ハイポ”やな!』とは?
次回、もう少し補足しますね。