看護学生の質問に答えちゃいます。病態生理II 代謝・内分泌編 その1 バセドウ病について

11月

朝晩の冷え込みが厳しくなってきました(・_・;)

授業中マスクしている学生さんもちらほら

さすが咳エチケットを実践してます(^O^)!

 

今週から病態生理IIの授業が始まりました

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1回目の授業で一番みんなの注目を集めたのは?

甲状腺針生検の動画

 

『うわっ』

『なに、これ?』

『痛そっ!』

『きゃー』

『こんなん、嫌!』

『やばい、絶対無理!』

 

教室中に黄色い悲鳴(°□°;)がとびかいました

”一般人の気分”

炸裂

 

でもとても不安な気持ちで検査や手術に臨む患者さんを身近で支えてあげるのが

プロの看護師さん(^-^)

 

自分が理解してなければ

素人の患者さんが困っていても説明してあげられないよ(; ̄Д ̄)

しっかりと勉強してね(*_*)

 

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締め切り日が祝日だったせいか、

 アンケート提出もいつもより少なめでした!

 

さてブログでの回答を希望する質問を2ついただきました

Q1.歌手の絢香さんがバセドウ病だったことは知られていますが、サッカー日本代表の本田選手もバセドウ病ではないのか?と、一時噂になったことがありました。本田選手の場合、正式に公表はされていなかったと思いますが…。デビュー当時の顔写真と現在の顔写真を比較してみると、メルセブルグの3徴の1つである『眼球突出』や、甲状腺部分の手術痕が見受けられます。バセドウ病は、若年の女性に多い疾患とありますが、
本田選手のようなプロスポーツ選手の男性でもバセドウ病を患うことはあるのでしょうか?わたしもスポーツをしているので気になり、質問しました。

 

A1.質問ありがとう。

 バセドウ病は一般的には若い女性患者さんに多い病気ですが、もちろん男性が罹患することもあります。また高齢が突然の脈の乱れ(心房細動)のため病院を受診してバセドウ病と診断されることもあります。

 バセドウ病の発症スポーツの因果関係はありません。同じような運動強度で運動したときに、以前にみられなかった動悸、息切れなど体調悪化が続く場合には、心臓や肺の病気、貧血以外に、バセドウ病の可能性も考える必要があります。体重減少手指の震えなど他の症状の有無を確認しましょう。バセドウ病と診断された場合、治療を受けて甲状腺機能が正常化するまで過度の運動を控えて安静にすることが一般的です。

 本田選手については質問内容に記載いただいたように本人が事情を公表しておられません。もし本田選手がバセドウ病の治療を受けていたと仮定した場合、競技に復帰するため早急に甲状腺機能を正常域までコントロールする手段として外科的治療を選択する合理性があったのかもしれません(推測の域を出ませんので悪しからず)!

 

Q2.バセドウ病の治療法について、放射線治療法であるアイソトープ治療法の治療後7日間は子供や妊婦の1m以内の接触はダメと、書かれている項目を見たのですが、病院や保育園など子供や妊婦に接触する現場で働いている人は2週間休職する事ともかかれていたのですが、微量の放射線には子供や妊婦にどんな影響をもたらす可能性があるのですか?
また、福島第1原発の事故で放射線甲状腺癌のリスクを昔ニュースでみたのですが。放射性ヨウ素を体内に蓄積する事で、甲状腺癌になるリスクがあると聞いた事がありますが、今回のアイソトープ治療法も放射性ヨウ素をカプセルで体内に入れているのですが、バセドウ病に効果的な治療法ですが甲状腺癌になるリスクもあるのでしょうか?

 

A2.質問ありがとう。

 抗甲状腺薬の内服治療でコントロールが困難なバセドウ病では、外科的治療アイソトープを用いた放射線治療が選択肢となります。

妊婦さんでは子宮内で発育中の胎児への悪影響を押さえるため、また子供は成人と比べて細胞分裂が活発な成長過程のため、放射線によるDNAへの影響が懸念されます。周りの人への被曝を最小限にとどめるための具体的なアドバイスが以下のHPに詳しく掲載されています。

www.jrias.or.jppdfファイルもダウンロードできますので是非一読してみてくださいね。 

https://www.jrias.or.jp/pet/pdf/basedow02.pdf

 放射線治療の場合は、投与されるアイソトープ(放射性同位元素)の必要量を計算し”安全な量”で投与されるため発癌性のリスクは管理されています。

 一方、原発事故のように体内に取り込まれる放射性ヨウ素の量が予測できない場合には、大量の放射性ヨウ素が吸収される前に、安定ヨウ素剤を服用することで甲状腺濾胞細胞へ有害な放射性ヨウ素の取り込みを抑制する予防法があります。福島原発事故以来のあと、原発付近の住民にあらかじめ安定ヨウ素剤を配布するなどの対策を実施している自治体もあります。

原子力規制委員会のHPに掲載されていますので確認してください。

www.nsr.go.jp