南大阪看護専門学校1年生
微生物学の授業も本日で終了
先週の14回目の授業でいただいた
残りの3つの質問についてお答えします(^o^)丿
Q4.仙骨神経節と脊髄神経節は同じなんですか?
授業で、単純ヘルペス2型の説明のときプリントには脊髄神経節と書いていて、スライドでは仙骨神経節と書いていたので混乱してしまいました。
見間違え聞き間違えだったらすみません。
陰部に水疱、びらんをつくり
患者さん本人も陰部の痛みなどの症状でつらい思いをしますが
なんと子孫にも悪影響を与える可能性のある嫌なヤツ!
出産時に
陰部に病変があれば
母子感染のリスクがあります (-_-;)
さて陰部の皮膚を支配する神経は
仙髄レベル(骨盤の後ろの骨である仙骨の高さ)からでています
このウイルスの潜伏先をつきとめるため
皮膚から神経に沿って解剖学的にたどると
仙髄レベルの脊髄神経節=仙骨神経節(仙髄神経節)
に到達!
HSV-2はここに潜伏します
脊髄の解剖はまだ習っていないよね?
ちょっと解説すると
(WiKIpediaから図を引用 後根神経節 - Wikipedia)
脊髄からは前方に2本(前根)、後方に2本(後根)の枝がでます!
前の枝は運動
後ろの枝は知覚(痛みなど)
を伝える重要な経路(^o^)
図の赤丸のところにウイルスが潜伏
HSV-2が再活性化された場合
ウイルス粒子は神経に沿って末梢に拡がり
その神経の分布する場所(この場合は陰部)に水疱、びらんを作ります
『仙骨神経節と脊髄神経節は同じなんですか?』
ご質問の答えは
繰り返しになりますが
仙骨神経節とは 仙髄部の脊髄神経節 の別表現です
おわかりいただけました?
詳しくは解剖生理の教科書をみてね(^_-)-☆
Q5. ヘルペスは触ったら感染するのですか?
A5 皮疹に直接触れると感染リスクがあります(-_-;)
皮疹(水疱など)からの接触感染以外に
唾液を通じての接触感染や飛沫感染など注意が必要です(ー_ー)!!
なお前回のブログでも記載しましたが
水痘ー帯状疱疹ウイルスについては
ワクチン(生ワクチン)があるからね!
単純ヘルペスウイルスについてはどうか?
残念ですが有効なワクチンはまだ実用化されていません(-_-メ)
皮疹が出現しているときに無防備に接触しないよう注意しましょう(^o^)
Q6 ヘルペスは一生もの、どうして?
A6 シンプルな質問をありがとう!
なんで?
と質問されたあなたの姿勢はすばらしい(^o^)丿
看護師さんになっても
日々の看護現場で感じた疑問を学びの材料にしてくださいね
ざっくり説明すると
感染した単純ヘルペスウイルスや水痘―帯状疱疹ウイルスは神経細胞の中に侵入
⇒侵入した神経細胞の核の中に環状のDNAの形で存在
息をひそめ
免疫細胞から発見されない状況を保ちます
またウイルスが作る物質によってもリンパ球などに発見されにくくなるそうです
目立たなければ攻撃されない!
ウイルスの立場からみると
すごい戦略を駆使する
わる賢い奴らです
詳しく知りたければ以下の論文を読んでみてね
ちょっと難しいよ(-_-;)
http://www.jbsoc.or.jp/seika/wp-content/uploads/2013/05/84-05-03.pdf
最後に
もう少し系統的にワクチン全般について学びたい学生さんへ
ぜひ読んでいただきたいワクチン関連書籍を紹介!
ワクチンは怖くない (光文社新書)
いい本です(*_*)