看護学生の質問に答えちゃいます! 解剖生理III 内分泌編(3) エストロゲンと認知症

微生物学の再試験

全員合格 (。◠‿◠。)

おつかれさま!

 

解剖生理III『内分泌』も3回講義が終了

今週から『血液』3回の講義が待ってます!

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当面の目標

10月31日の単位認定試験

再試験料2000円を納めることがないように(-_-;)

一発合格、よろしく!

しっかり勉強してね! 

 

 

最近の授業後アンケート提出状況を報告します

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この学年はすごいよ(°□°;)

例年になく高いアンケート回答数を維持

 

ギリギリ突破を狙っている 

”アナタ!”

忘れずに授業後のアンケートを出しましょう(; ̄Д ̄)

 

さて質問をいただいてます!

Q1. エストロゲンが不足するとアルツハイマー症になる確率が上がるというのを耳にしました。なぜ、女性ホルモンであるエストロゲンが不足するとアルツハイマー症の確率が上がるのですか?

 

A1. 質問ありがとう。

エストロゲン卵巣で産生される女性ホルモン!

卵巣が老化し、エストロゲン産生が激減する閉経後

アロマターゼという酵素によって脂肪組織エストロゲン産生が細々と持続

(閉経前と比べて濃度は下がります)

 

エストロゲン産生が続いているってことは、

『体が必要としていて』、『なんか役割を果たしてる』

 

認知機能との関連でいえば 血流改善かな?

 

エストロゲンと血流』関連の研究が目にとまります!

エストロゲンが低下→コレステロール上昇→動脈硬化の進行→脳血流低下

動物実験エストロゲンの脳血管拡張作用が報告(マウス)

女性ホルモン「エストロゲン」の記憶改善効果の一端を解明 | 60秒でわかるプレスリリース | 理化学研究所

 などなど

 

医学中央雑誌で ”認知機能” と エストロゲン 

で論文検索してみました!

 

『女性と認知症』日本女性医学学会雑誌 23(2)p173-177、2016から

わかりやすく記載された要約を紹介します!

 

認知症、特にその半数以上を占めるアルツハイマー病はいずれの年代でも女性に多い が、その理由は不明である。男性はアルツハイマー病の前段階で死亡し、女性はアルツハイマー病に進行するまで生き残るからという仮説も興味深いが、証拠はない。また、認知症の危険因子である抑うつ保有率は一般に女性の方が男性より高く、この点が関係する可能性もある。閉経後女性では、アンドロゲンのみならずエストロゲンも男性以下のレベルに低下するので、性ホルモンの枯渇が長期に及ぶ老年期に至ると脳機能に影響が出るのかもしれない。

 では、ホルモン補充療法の効果はどうであろうか? 観察研究はエストロゲン補充療法の効果を期待させたが、大規模試験Women's Health Initiative(WHI)のサブ研究WHI Memory Studyで、認知症予防や認知機能、さらにMRIを用いて脳容積を測定した研究結果はいずれもエストロゲンの効果を否定するものであった。更年期のホルモン補充療法には予防効果が期待できるが、老年期に行うと認知症発生が増える という米国の医療保険データの報告もあり、認知症の予防もしくは治療目的で高齢女性にエストロゲン補充療法を行うことは奨められない。一方で、最近はアンドロゲン投与による認知機能改善作用を示す報告もいくつかあり、今後の研究に期待がもたれている。(著者抄録) 

 

動物(実験)と違って人間を対象とする研究では

認知症(認知機能障害)の発症要因がいろいろ複雑に絡み合って

患者さんの背景もさまざま(糖尿病、肥満、やせ)

 

複雑な『認知機能』障害とエストロゲンの関連について

さまざまな仮説を検証している段階です (^-^)