*現場の対応をリアルにお伝えするため、傷病者を”おっちゃん”と表記しています。
(ではNさんの振り返り、前回からの続きです。反応がでて喜んだNさん、でも.....)
「胸、あがってるわ!」 呼吸再開を確認。
「次は回復体位」と思ったとき!
"おっちゃん"が開眼しすごい形相で、こっちをにらみつけています!
手足を激しくバタつかせ、動きは段々と勢いを増してきました!
右腕の血圧計は強い手の動きで引きずられたためはずしました (・_・;)
「危ない! 大丈夫ですよ!」
こちらの言うことは、まったく通じません(~_~;)
次は体を起こそうとする動きも出現!
”おっちゃん”の力は強くAED本体が持ち上がるくらい激しく動き続けます!
AED電源を切らず、パットも貼ったまま救急隊に引き継ぐことが原則です。
でもこのままでは危険だと判断し、仕方なくパットをはがしました!
突然、”おっちゃん”が右手で私に殴りかかってきて、右顎にボッコと一発!
「痛!」
舌の奥を噛んでしまいました (; ̄Д ̄)
(強いパンチで不意打ちされ、あごも舌も結構、痛かったよ)
本当は、自分で身を守らなければならなかったのに.......
あとあと反省!
U主任は右足でお腹を蹴られ、保健室の先生も叩かれた様子です。
今度は、頭を上下に動かし、床に打ち付けるような危険な行動が出現!
「毛布か何かないかなぁ?」(頭にケガさせてはいけないわ)
救助活動を見ていた次女の同級生のお父さんが、頭を保護できる布の敷物をたたんで差し出してくれ、この間、M看護師がしっかりと頭部を支え続けてくれました (^_^;)
暴れる”おっちゃん”の手足をみんなで押さえながら情報収集を開始!!
この”おっちゃん”の名前がわかるものはないか?
”おっちゃん”のことを知っている人はいないか?
”おっちゃんはいったい誰や?”
左側の遠くの方に飛んでいた”おっちゃん”の携帯電話を発見 (*_*)
その時です!
同じ制服を着た警備員の同僚が駆け寄って来てくれました (^^)/
「○○さん」 名前判明!
「○○さん、○○さん」 呼びかけに反応!
同僚の顔を見て、落ち着いたのか動きが止まりました!
”おっちゃん”に「お名前は?」と呼びかけると「○○」と小さい声!
「生年月日は?」「○年」と返事あり、でも月日は聞き取れず。
ふと周りを見渡すと!
玄関ホールにはたくさんの長イスが並んでいたのに、PTAの方や学校職員の協力でイスはきれいに片づけられ、保護者も少し離れたところに立っていました。
私たち救助班だけ!
この瞬間心から願いました「救急隊、早く来て!」
(ここで、これ以上できることはないわ!)
”ピーポーピーポーピーポー”
心強いサイレンの音が接近!
救急隊到着!
次回、傷病者の転帰をふくめ救助行動全体を総括していただきます!
お楽しみに!