院外心停止からみごと社会復帰!ママさん看護師大活躍! (3)

*現場の対応をリアルにお伝えするため、傷病者を”おっちゃん”と表記しています。
(ではNさんの振り返り、前回からの続きです。反応がでて喜んだNさん、でも.....)

 

「胸、あがってるわ!」 呼吸再開を確認。

 

「次は回復体位」と思ったとき!

"おっちゃん"が開眼しすごい形相で、こっちをにらみつけています!

手足を激しくバタつかせ、動きは段々と勢いを増してきました!

右腕の血圧計は強い手の動きで引きずられたためはずしました (・_・;)

「危ない! 大丈夫ですよ!」

こちらの言うことは、まったく通じません(~_~;)

次は体を起こそうとする動きも出現!

 

”おっちゃん”の力は強くAED本体が持ち上がるくらい激しく動き続けます!

AED電源を切らず、パットも貼ったまま救急隊に引き継ぐことが原則です。

でもこのままでは危険だと判断し、仕方なくパットをはがしました!

 

突然、”おっちゃん”が右手で私に殴りかかってきて、右顎にボッコと一発!

「痛!」

舌の奥を噛んでしまいました  (; ̄Д ̄)

(強いパンチで不意打ちされ、あごも舌も結構、痛かったよ)

本当は、自分で身を守らなければならなかったのに.......

あとあと反省!

 

U主任は右足でお腹を蹴られ、保健室の先生も叩かれた様子です。

今度は、頭を上下に動かし、床に打ち付けるような危険な行動が出現!

 

「毛布か何かないかなぁ?」頭にケガさせてはいけないわ

 

救助活動を見ていた次女の同級生のお父さんが、頭を保護できる布の敷物をたたんで差し出してくれ、この間、M看護師がしっかりと頭部を支え続けてくれました (^_^;)

 

暴れる”おっちゃん”の手足をみんなで押さえながら情報収集を開始!!

この”おっちゃん”の名前がわかるものはないか?

”おっちゃん”のことを知っている人はいないか?

”おっちゃんはいったい誰や?”

 

 

左側の遠くの方に飛んでいた”おっちゃん”の携帯電話を発見 (*_*)

その時です!

同じ制服を着た警備員の同僚が駆け寄って来てくれました (^^)/

「○○さん」 名前判明!

「○○さん、○○さん」 呼びかけに反応!

同僚の顔を見て、落ち着いたのか動きが止まりました!

 

”おっちゃん”に「お名前は?」と呼びかけると「○○」と小さい声!

「生年月日は?」年」と返事あり、でも月日は聞き取れず。

 

ふと周りを見渡すと!

玄関ホールにはたくさんの長イスが並んでいたのに、PTAの方や学校職員の協力でイスはきれいに片づけられ、保護者も少し離れたところに立っていました。

 

私たち救助班だけ!

この瞬間心から願いました「救急隊、早く来て!」

(ここで、これ以上できることはないわ!)

 

 

”ピーポーピーポーピーポー” 

心強いサイレンの音が接近!

救急隊到着!

 

次回、傷病者の転帰をふくめ救助行動全体を総括していただきます!

お楽しみに!