梅雨入りしました (^_^;)
心臓の血管が詰まって生命を脅かす”急性心筋梗塞”!
冬の厳寒期に比べると少ないねぇ。
循環器内科医が、その腕前を発揮する緊急カテーテル治療(PCI)も少ないなぁ!
4月末から循環器内科で研修中のK先生は、前回の症例カンファレンスでの体験も糧にしっかりと研修に励んでいます。
研修2か月目、心臓カテーテル検査でも、チームの一員として尽力中!
そんなある日、K先生が循環器のスタッフの歓迎会に出席した宴もたけなわの時間帯に病院では患者さんが救急受診されました (^_^;)
心電図変化から緊急心臓カテーテルが必要と判断されK先生の携帯電話にコールが!
残念ながら着信に気づけず“いざ鎌倉”と駆けつけられませんでした (・_・;)
K先生は“せっかくの緊急治療のチャンスを逃してしまった”とかなり凹んでいました!
”次こそは”と意気込むK先生にいよいよ運命の日がやってきました!
以下K先生のお話です。
”眠たいし、明日に備えて早く寝ようかな“
その時!
当直しているT先生から携帯に着信!!
T先生 “緊急カテあんねんけど、来たかったらおいで。”
私 “わかりました、すぐに、い、いきます” (@_@;)
いつものカバンを抱え、ノーメイクで2分後には家を飛び出しました。
幸い、タクシーがすぐにつかまりました
私 “○○病院まで、急いでください”
赤信号で停車するたびに、“あぁー!早業(はやわざ)のT先生のことだから、ぐずぐすしてたらあっという間に処置が終わっちゃう。どうしよう!” (-_-;)
“早く、早く、信号変われ!”
と心で念じながら、時間がすごく長く感じてしまいました。
病院到着後、すぐにスクラブに着替えました。
暗い廊下を走って、血管造影室へ階段を一段飛ばしで駆け上がりました。
血管造影室の前の薄暗い空間に、家族の方らしい人たちが心配そうに座っておられ、独特の緊迫感が漂っていました。
循環器内科のT先生は、手技がとても早く、患者さんにとても慕われている先生です。
いつもご指導いただいているU先生と一緒に、患者さんを安心させるように “大丈夫やで” と声かけをしながら血管造影検査を進め、心臓の血管の大事な部分が閉塞していることが分かりました。
ただちに患者さんの治療が始まりました。
私もいつもの外回りの仕事につきテンションが最高潮に上がりました。
患者さんは胸の圧迫感を訴えておられましたが、意識はしっかりされ、的確に応答されていました。
『何とか助けてください』という患者さんの気持ちが切実に伝わってきます。
当直の看護師さん、放射線技師さん、臨床工学士さん、みんなで患者さんに励ましの声をかけます。
“うわっ!T先生、早っ!”
閉塞した血管を開通させる処置が滞りなく進行しました。
T先生 “血管つまってたわ! 間に合ってよかったなぁ”。
後ろから先生方の姿をみていると、『俺に任せろ!』オーラがあふれています。
“かっこええなぁ” \(◎o◎)/
患者さんのご家族と同じくらいの感謝を先生方に感じちゃいました。
閉塞していた血管が再還流したあとも患者さんの容態は安定して、緊急心臓カテーテル治療は無事終了しました。
『先生!もう終わったん?早ぁぁ!』 と患者さんのうれしそうな声が響きわたり、スタッフ一同も一気になごやかな雰囲気に!
胸の違和感も一気に緩和し本当に安堵の表情を浮かべる患者さん!
その表情をみて急性期重症患者さんを救うやりがいのある仕事にとても憧れを持ちました。
医療現場の最前線で
“こうやって急性心筋梗塞の人は救われる瞬間があるんだ”
という劇的な状況を体験できました。
その体験に素直に感動している自分がいることにちょっとびっくりしました!
本当に、本当に、循環器内科に回っていい経験をさせていただきました。
(以上K先生のお話しでした。貴重な体験を糧に信頼される医師をめざしてくださいね。)